前回は「アイランダー2017」で見つけた面白いものをクローズアップしてきましたが、
今回はそれと同時に感じた、やっぱりそんなに楽じゃないよな〜、という観点から話を進めていきます。
島に限らず、「地方の魅力発信」を軸にしたイベントでは必ず、「移住促進」というテーマがついてきます。そりゃそうですよね、来てもらうことが一番の目的なわけですから。
というわけで、「アイランダー」でも、移住を検討する人向けの貸し住居の案内や、求人の案内などがありました。
地域の魅力を知ってもらい、移住してもらい、産業の担い手になってもらう。もちろんそれが理想なわけですが…
☆「移住=老後の夢」というイメージ
実際に足を踏み入れて思ったのは、活気はあるものの来場者の年齢層が高いということ。上記のように確かに多様な支援策が用意されているものの、あの場にいる年齢層の人が移住してもミスマッチが起こるのは必至なわけです。
☆「若者=労働力の補填」になりがち
自分が来場者の中で若い方だったからか(実際には老け顔ですが、それでも30代くらいには見えてると思うので)、「地域おこし協力隊に、ぜひ!」みたいなチラシを手渡しされるんですね。
右が福祉関係(島根県海士町)、左が教育関係(東京都青ヶ島村)。
やはり、介護施設を中心とした福祉系の求人がほとんどです。また、「地域おこし協力隊」という名目の募集であっても、実際には非常勤の教員募集ということも少なくありません。
どうしても、「不足する労働力の穴埋め」という感じが否めないのも確かではあります。
もちろん、「地方で面白いことをしよう!」という人はたくさんいますし、実際自分の周りでも実際に行動している人はいっぱいいます。
ただ…上記の面からそれを受け入れる側の"感覚"とのズレはあるように感じます。特に移住者へ求める条件がそれを物語ります。
「中学生以下の子供を持つ家族」
「ネイティブレベルの英語が話せること」
限られた人数枠と予算で支援を行うわけですからそれなりの条件があるのは当然なのですが、大手企業レベルの求人と似たり寄ったりな求人をしてもな…と思うところは正直あります。
こういう難しさがあるからこそ、地方で自分で仕事を作っていく人のすばらしさは際立ちますね。
(訪問日:2017年11月18日)