「多摩川クラシコ」と聞いて、サッカー好きならピンとくると思いますが、街歩きをしながらもう一つの多摩川クラシコを見つけてしまいました。
2つのムサコ、つまり武蔵小杉と武蔵小山です。(この文章を書きながら武蔵小金井の存在を思い出しましたが、今回はスルーします)
この2つの街は、名前の近さだけではなく、街歩きの観点からとても面白い街ということで、実際に足を運んでみることにしました。前半は川崎のムサコ、武蔵小杉です。
絵に描いたような「新しい都市」ですね。
特に東急側の開発が凄まじく、ショッピングモールやタワマンがぼんぼん建ってます。まさに典型的な近年の都市開発。
で、武蔵小杉でタワマンが云々とかそこら辺の話はわざわざこのブログで語ることでもないのでスルーして、個人的に面白かった視点を一つ。
南武線ホームからの1枚。3路線の交差する一大ターミナルにもかかわらず、ホームに接するようにアパートが建っています。
これの何が面白いのか。
ここからは勝手な推論ですが、もし武蔵小杉が初めから「大都市」だったら、ホーム横にアパートなんて建ちようがないと思うんです。地価高くなるはずだし。
今でこそタワマンも建って家賃相場も爆上がりなんでしょうが、それ以前はアパートも建てられるくらいの土地だったということを物語っています。
武蔵小杉の変化は、それだけ急激だったということ。
急激な変化だったからこそ、いろいろな議論があったのだと思います。
きれいで明るい街を整備すればもっと安全な街になるのではないか。
でもこれまでの猥雑な街にこそ「センシュアスな」街の面白さがあるでのはないか。
でもタワマンが建って高所得層の住民が入れば街の格式が高くなるし税収も上がるな。
とはいえぱっと見どこの街だかわからない街並みは面白くないよな?
「再開発」が行われる土地では、どこでもこういう議論になると思います。
ましてや、元が猥雑な飲み屋街ならなおさら。
武蔵小杉に関しては、ここら辺の議論が曖昧なまま、タワマンが建ってしまったように感じました。
街の"成長"に、人の頭が追いつかなかった。
綺麗な駅舎の北口にも南口にも、ホームレスがいたのです。
タワマンやショッピングモールに通じる通路に座り込むホームレス。
もちろん普段からいるわけではないと思うんです。たまたま通りかかったときに見ただけかもしれません。
ただ、この光景に、これからの武蔵小杉を考えるうえで避けられない問題が見えたような気がしました。
武蔵小杉のある川崎市の歴史を考えると、多摩川沿いに工場が立ち並び、それに伴い比較的低所得の労働者がいたような街ですね。八丁畷の方?にはいわゆる「ドヤ街」があったという話だったと思います。
それが、武蔵小杉の飲み屋街はタワマンになり、川崎駅前の工場跡はラゾーナ川崎になり…
「よくある再開発」の街の今後はいかに。
ちなみに。
今度の週末には「本家」多摩川クラシコがあります。
街中にはあちこちにのぼりが。
大久保嘉人の移籍云々とかもありここ数年はさらに熱を帯びていますな。
ことしは両チームともの上位で迎えそうなので、荒れそうですね(笑)
このあと東京側のムサコ、武蔵小山にも足を運んだので、それは次回に。
(訪問日:2018年4月28日(土))