※本文中、龍"ヶ"崎市と書いてしまいましたが龍"ケ"崎市ですね。すべて修正するのが面倒なので初めにおことわりです。
色々ありすぎる2020年も折り返し。
2020年下半期最初の街歩きは、去る3月14日に改称により誕生した「龍ヶ崎市駅」へ。かつての名は佐貫駅でした。
この3月14日のダイヤ改正、世間的には常磐線の福島県内の不通区間の再開、そしてあの高輪ゲートウェイ駅の開業は多少ニュースになりましたが、コロナ関連のニュースでほとんど吹っ飛んだ印象です。
そのためこの改称そのものを知らなかった人もいるのでは?
龍ヶ崎市か、佐貫か。
こちらがJRの龍ヶ崎市駅。まだまだ真新しい駅名標です。
かつての佐貫駅といえば、常磐線の車内放送(自動)がどうしても「さぬき」ではなく「たぬき」に聞こえるのが好きだったのですが、それが聞けなくなったのは残念です。
駅前のコンビニは「佐貫駅前店」でした。JRの駅が改称したところでわざわざ店名変えないですよね。というかここが佐貫駅前であることは現在も事実ですがそれは後述。
ちなみにこのSPSというコンビニは初めて見たのですが、「ヤマザキスペシャルパートナーショップ」という、あの田舎でお馴染みヤマザキショップの機能強化型店舗らしいです。何が強化かは知らぬ。
バス停は改称されていました。龍ヶ崎市だけど取手市のコミュニティバスも止まるのね。
これは駅から少し離れた交差点。
こちらも改称され、龍ヶ崎市駅西口交差点に。
駅周辺にある地図や案内表示なども軒並みシールが貼られるなどしています。駅名の改称ひとつでここまで面倒になるのになんで改称したのかなー、という気分です。
ひとつの駅にふたつの名前。
ここまで「改称した」と言ってきましたが、佐貫駅が無くなったわけではありません。
上の写真でお気づきかもしれないですが、関鉄こと関東鉄道は引き続き佐貫駅として営業しています。
つまり、JRの駅名改称により、隣接した駅でありながら別々の名前というややこしい状況になったのです。
隣接した駅が別の名前、ということ自体は決して珍しいものではありません。関東では埼玉県の北朝霞駅(JR武蔵野線)と朝霞台駅(東武東上線)など。関西ならJR天王寺駅と近鉄の大阪阿部野橋駅などがあります。
ただ今回の龍ヶ崎市駅のように、同じ駅名だったところをわざわざ片方だけ改称した事例はきっと少ないと思います。
どうしてこうなった?
このややこしい駅名問題、いくつかの疑問点が絡み合っています。
- なぜ今まで「佐貫駅」だったのか
- なぜ関鉄"竜ヶ崎線"でJR”龍ヶ崎市駅"なのか
- なぜJRだけ改称したのか
まず1については、常磐線開通時に龍ヶ崎市が存在せず稲敷郡馴柴村佐貫というのが駅の所在地だったからです。
2についても同様に、関鉄開業時は龍ヶ崎市ではなく旧竜ヶ崎町だったためそうなっています。どちらもシンプルです。
いずれもソースはこちらです↓
問題は3です。
はっきりとしたソースがないので推測の域を出ませんが、こういうことだと思います。
まずJR側の意図。
- 佐貫駅じゃどこだか分からないから、(多少のコストをかけてでも)市名を駅名に冠したい
- マザー牧場の最寄り駅である千葉県富津市の佐貫町駅と間違える人がいる(ネタじゃなくてガチ)から分かりやすくしたい
他方、関鉄側の意図としては、
- 線内に「竜ヶ崎」駅があるところに「龍ケ崎市」駅ができてしまうと、かえって紛らわしい
- 改称に際しての諸々のコストが大きい(JRと財政の規模だって違うし)
というところだと思います。
そもそも、PASMOの導入すら当初は予算的な事情で渋った関鉄ですから、駅名改称にわざわざコストを投じるような余裕などないと考えるのが普通でしょう。
今回は街歩きより考察が多めになってしまいましたが、この辺で。
このあと、関鉄竜ヶ崎線に乗って竜ヶ崎駅にも行ってきたので、気が向いたら記事にしようと思います。
つり革にコロッケ。