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【日本一長い路線バス】終点まで6時間半!紀伊半島の山奥を走破する過酷な路線バス旅【奈良交通・八木新宮線】後編

日本一長い路線バス・八木新宮線の乗車記。前編では、奈良県橿原市の大和八木駅から、十津川村の入口である谷瀬の吊り橋までの様子をお届けしました。後編では奈良県と和歌山県の県境をまたぎ、終点の新宮駅まで向かいます。

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とにかく大きな十津川村

谷瀬の吊り橋がある上野地バス停を出発した八木新宮線の次の休憩地点は、十津川温泉です。同じ十津川村内に2ヶ所も休憩地点があるとはいえ、十津川温泉まではこれまた1時間強かかります。

奈良県の面積の5分の1を占めるという十津川村は、琵琶湖や東京23区の面積よりも大きいのだそうです。ましてや山道となれば、それだけ時間がかかるのも無理はありません。上野地~十津川温泉の中間あたりには十津川村役場や道の駅があり、このあたりが一応村の中心地のようです。

それにしても、この広大な十津川村に中学校・高校が各1校、小学校が2校とは…。どうやって通学しているのか気になります。というか、子供はほとんどいないんだろうな。。

1時間ほど走って、最後の休憩地点・十津川温泉に到着です。先述の村役場周辺よりも、まちが開けている印象。

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ここには奈良交通バスの営業所があります。上野地バス停で運転手さんから新宮駅まで乗り通すか聞かれたのは、この営業所で完乗の記念品を準備するためでした。
(完乗記念品なのに、ここでもらっちゃった…笑)

温泉街の中ということもあり、営業所には足湯や源泉スタンドがありました。

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足湯は3人ほどが定員。タオルがない方には150円で販売もしています。こちらも休憩時間は10分ほどですが、足湯はバス停のすぐ脇にあるので、乗り遅れの心配もありません。

十津川村内ではほぼ乗り通し客となっていた車内ですが、十津川温泉から多くの乗客が乗り込んできました。ここでまさかの満員。後半には世界遺産の熊野本宮大社もあるので、乗客がさらに増えることが予想されます。

熊野川の絶景を堪能

十津川温泉を出ると、和歌山県との県境へと近づいていきます。七色という集落を通り過ぎると、県境を越えて和歌山県に入ります。

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国道と並行している十津川が熊野川に名前が変わったこと以外、特に車窓の変わらず…と思いきや、和歌山県に入ると熊野川まわりの地形に変化が。河口に近づいてきたこともあってか、川幅かかなり広く、河原も広くなってきました。

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和歌山県に入ってしばらくすると、熊野本宮大社に到着。この辺りでは意外にも短距離利用が多く、乗り通し客以外は小刻みに乗客は入れ替わっていきました。熊野本宮大社を過ぎると一旦国道を離れて、湯の峰温泉や川湯温泉といった秘境の温泉街に立ち寄ります。

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3kmほどの道のりを30分以上かけて通過するかなり大回りのルートですが、途中の乗降もそれなりにありました。

昨今のキャンプブームもあってか、川湯温泉周辺の河原ではたくさんのキャンプ客がいました。あれだけの秘境にも人が集まるのですね~。

tanabe-kawayu-camp.com

ついに新宮へ到着!

熊野川沿いに戻り、新宮の市街地へ向けて最後の南下をしていきます。

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熊野本宮大社以降は他路線の並行もあり、八木新宮線は特急運転となります。途中停留所も少なく、熊野川沿いを快走します。新宮の市街地に入るギリギリまで熊野川沿いを走るため、最後の最後でいきなり市街地が現れる印象です。

途中からは熊野川と北山川が合流して対岸には三重県が迫りますが、このバス自体は三重県には一度も入りません。

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三重県側に不思議なくぼみのようなものが見えてきました。これは熊野川九里峡というのだそうです。自分もこのとき初めて知って、思わずその場で調べてしまいました。壮大な熊野川の景色に現れる熊野川九里峡、とてもインパクトがあります。

そしてついに、新宮駅に到着!新宮市内の渋滞もあり、最終的な所要時間は6時間50分ほどとなりました。駅前で、完乗の記念品と一緒に。

到着後は新宮市内で宿泊。熊野速玉大社や仲之町商店街のあたりをぶらぶらして、歩いて県境を越えて三重県紀宝町に入ったりしました。

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仲之町商店街のアーケード、渋くて良いですね。そして夕食で入った中華料理 万惣さんも良かったです。旅先で町中華、けっこう好きです。

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まとめ

7時間弱にわたる路線バス完乗の旅、タイトルには「過酷」と書きましたが、思っていた以上に車窓に見どころがあり、また休憩時間のコンテンツもいろいろあるなど、全くと言ってよいほど飽きの来ない時間でした。

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最初は「路線バスに5,000円以上って…」と思っていたのが正直なところでしたが、これだけの要素が詰まっていればそれほど高くは感じません。

乗ってみた感想としては、やはり大和八木駅から新宮駅行きに乗る方がおすすめです。大和八木駅から五條バスターミナルの間は普通の市街地区間であり、新宮駅側からインパクトのある山越え区間を通り抜けた後だと、少し間延びした印象があるかもしれません。

また、乗車にあたっては(景色という観点では)十津川村役場付近までは新宮駅方面に向かって右側、それ以降は向かって左側に座ると、川の景色がより綺麗に見られるかもしれません。

八木新宮線、公共交通機関の少ない十津川村周辺の貴重な足になっています。過酷だけど楽しい6時間半、ぜひ一度体感してみてください。

(乗車日:2022年8月15日(月))

▽▽過去のハードな乗車記シリーズはこちら▽▽

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