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【あの地名を追ってin長野 Vol.6】飯山市木島と木島平村〜木島駅って木島平村だと思ってました〜前編

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突然ですが、これまで勘違いしていたことを白状します。

かつて長野電鉄には木島線(正式には河東線)という路線がありましたが、ここでいう「木島」を木島平村のことだと思っていました。これまで何度か、長野電鉄や中野市、飯山市などのトピックで記事を書いたりテレビで喋ったりしましたが、どこかで間違ったことを言っていた気がします…。

ということで今回は、飯山市木島地区と木島平村の市村境を中心に、その歴史を見ていきたいと思います。
とんだ勘違いから始まったまち歩きですが、そこに秘められた歴史に、思わず引き込まれてしまいました。

飯山市と木島平村の概要

はじめに、飯山市と木島平村の成り立ちと位置関係について見ていきます。

岳北地域とも呼ばれるこのエリアは千曲川を挟んだ谷あいに細長くまちが広がっており、千曲川の概ね(「概ね」というのがこの記事のキーワードです。重要!)東側に木島平村、西側に飯山市があります。いずれも、1953(昭和28)年の町村合併促進法施行を受けて、いくつかの町村を合併した自治体です。飯山市は1954(昭和29)年、木島平村は翌55(昭和30)年にそれぞれ誕生しています。

2003(平成15)年頃には両市村(と野沢温泉村)は合併の検討に入りますが、スキー場の運営方針などを巡って対立して破談に。
余談ですが、当時木島平村営だった木島平スキー場も、拒否していた第三セクター化を経て、民間への譲渡が検討されているようです。世知辛いですね。

「木島平スキー場」「ホテルパノラマランド木島平」の譲渡について基本合意を締結 | 木島平村 公式ウェブサイト | 自然劇場木島平

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木島平村の入口には、「国設スキー場」という年季の入った案内が。

木島平村内には鉄道駅がないので、公共交通機関で向かう場合には、飯山駅からバスで行くのが基本。バスでの所要時間は10分〜15分程度と意外に近く、その気になれば歩いていくことも可能です。

今回はあえて徒歩で、木島地区を通りつつ木島平村へと向かいます。

木島平村色がなんとなく強い飯山駅

というわけで、飯山駅に降り立ちました。2015(平成27)年の北陸新幹線延伸に際して新設された駅舎ですが、飯山線側の改札には自動改札機はありません。

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飯山駅はもちろん飯山市の中心駅なので、改札の横にある物産店は飯山市…かと思いきや、木島平村のものです。そして改札の正面には木島平村の広告。うっかりするとここが木島平村なのかと思ってしまいそうです。

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木島線は木島平を通らなかった

飯山駅を出発して、まずは1つめの目的、長野電鉄木島線の廃線跡を見に行きます。

2002(平成14)年に廃止となった木島線ですが、千曲川を挟んでJR飯山線と並行するようなルートを走っていました。


地図出典 https://minkara.carview.co.jp/userid/675059/blog/26287659/
(地図内で「信濃安川」となっているのは「信濃安田」の間違いですね)

終点の木島駅は木島平村域にかなり近いところにあるものの、路線は全て中野市および飯山市で完結していました。私はここを完全に勘違いしていました。後ほど詳しく触れますが、木島駅の指す「木島」は、飯山市の木島地区となります。

終点の1駅手前、信濃安田駅は千曲川を挟んでJR飯山駅の対岸に位置しており、両駅は徒歩10分ほどで移動することが可能です。なお、千曲川を越えてはいますが、東岸のこちらも所在地は飯山市です。

旧・信濃安田駅。

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廃止から20年以上が経過し、駅舎やホームはすべて取り壊されていますが、信州中野方のトンネル跡は健在。このように、木島線跡にはかつての鉄道遺構がところどころ残っています。

数百メートルほど木島駅寄りに移動した住宅街の中には、取り残された架線柱と踏切の一部が残っています。線路はほぼ全てはがされている状態で佇む架線柱には、不気味さすら感じます。

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木島駅があった飯山市木島

木島駅跡に到着しました。

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現在は長電バス飯山営業所の敷地となっており、線路跡と一部はソーラーパネル用の敷地として転用されています。現在、バス停名は単に「木島」となっていますが、営業所の建物には木島駅の名残を想起させる看板もあります。

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旧木島駅正面の交差点には、「飯山市木島」と書いてあります。

あと少し移動すれば木島平村に入りますが、ここは確かに飯山市。木島駅のあったエリアは、合併して飯山市となる前の自治体名は、下高井郡木島村でした。現在の木島平村は下高井郡木島平村なので、紛らわしいですね。。

ここからいよいよ飯山市と木島平村の境へと向かいますが、そこにはさらに紛らわしい境が存在していました。

長くなりそうなので今回はこの辺で。後編へ続きます。

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