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【大阪〜東京昼行バス・グラン昼特急】夜行じゃもったいない?二階建てバスの先頭で8時間半の快適高速バス旅(2022.11.22)

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大阪⇔東京を高速バスで移動するとき、多くの人は夜行バスを想像すると思います。両都市間はバスの本数も多く、格安のものから高級シートまで様々なバリエーションがあるわけですが、実はこの区間には昼便も存在します。朝に乗車して、終点に着く頃には(冬であれば)真っ暗になってしまうという長距離昼行バスの様子を、ぜひお楽しみください。

昼行バスの代表格、グラン昼特急

今回乗車するのは、「グラン昼特急」号。JRバス西日本ならびにJR関東による運行です。大阪駅~バスタ新宿・東京駅間を約8時間半で結びます。京都駅発着便を含めて、1日4往復が運行されています。

二階建てバスによる運行で、1階が4列シート、2階が2+1の3列シートとなっています。今回僕は、運よく2階の1列目が取れましたので、高い目線からの前面展望が楽しめる特等席での乗車となりました。

二階建てバスの存在感は圧倒的

当日のルートはこんな感じでした。

大阪駅JR高速バスターミナル
↓ 一般道(新御堂筋・大阪中央環状線)
中国吹田IC(大阪府)
↓ 名神高速
草津JCT(滋賀県)
↓ 新名神
甲南PA ※20分休憩
↓ 新名神
四日市JCT(三重県)
↓ 伊勢湾岸道
豊田JCT(愛知県)
↓ 新東名
道の駅もっくる新城 ※20分休憩
↓ 新東名
御殿場JCT(静岡県)
↓ 東名高速
足柄SA ※30分休憩
↓ 東名・首都高速
池尻ランプ(東京都)
↓ 一般道(山手通り・甲州街道)
バスタ新宿・東京駅日本橋口

地下鉄・モノレール・新幹線と並走

「グラン昼特急」はJRバスの路線なので、乗り場が各所に散り散りなツアーバスと異なり、大阪駅直結のJR高速バスターミナルからの出発です。JR高速バスターミナルはJR大阪駅中央北口を出てすぐなので、鉄道との乗り換えも便利です。

バスターミナルは大阪駅中央北口の目の前

今回は大阪駅10:10発のグラン昼特急8号に乗車。終点・東京駅の到着予定は18:46です。東京大阪間の夜行バスは何度も乗っているので距離感の見当はつくものの、日中をまるっと使うバス旅、いったいどんな感じなのでしょうか。乗っていきましょう。

2階席最前列からの眺めは最高

高速道路までの区間の多くは、大阪市北部の大動脈である新御堂筋を北上していきます。新御堂筋では北大阪急行が道の真ん中を走るので、タイミングが合うと並走シーンが見られます。鉄道側にも架線がないので、尚更見やすい並走シーンとなっており、さっそく最前列かぶりつき状態となります。

新御堂筋で北大阪急行と並走

吹田ICの直前では大阪モノレールとの並走も見られます。さらに太陽の塔やパナソニックスタジアム吹田など沿道のみどころも多数ある区間で、前面展望がさっそく威力を発揮して、ワクワクが止まりません。

また、写真は撮り損ねましたが、滋賀県に入って草津JCTの直前では東海道新幹線との並走区間もあります。

 

忍者ワールド・甲南PA

ここまでは、「日本最古の高速道路」ともいわれる名神高速を通ってきたため、市街地にも比較的近い平地を走行する場面が中心でした。そのため、沿道の景色もいろいろと見どころがありましたが、滋賀県の草津JCTから新名神に入ると景色は一変。

できる限り最短距離で結ぶために山間部を通ることが多い新名神の車窓は延々と山の中の高架橋とトンネル。このあとの新東名も同様となるため、景色的には少し飽きる区間かもしれません。しかしこれで所要時間がかなり短くなったようです。

新名神は基本的に山中を通る

そんな山中の新名神に現れるのが、最初の休憩地点・甲南PAに到着です。

最初の休憩地点・甲南パーキングエリア

「忍者の里」甲賀市にあるので、パーキングエリア内はもちろん忍者要素でいっぱい。2階にある休憩スペースにも忍者がいっぱいいます。また、申し訳程度に信楽焼のたぬきもいました。

忍者と信楽焼

ちなみに、甲南PAのwebサイトがかわいらしくて好きなので見てね。

www.kounan-pa.jp

最初の休憩は20分で終了。次へ進んでいきましょう。

 

足湯もジビエも…道の駅もっくる新城

しばらくは名阪間随一の難所である鈴鹿山地を進んでいく新名神ですが、三重県に入ると名古屋に近づいていくにつれて景色が広がってきます。

伊勢湾岸道では大きなアーチ橋が連続する区間で見ごたえがあります。ナガシマスパーランドやレゴランドなども沿道にあり、こちらも景色が楽しい区間です(写真撮りそびれた)。

そういえば、東京大阪間の夜行バスだとこのあたりが真夜中に通過する区間ですね。僕は夜行バスでも寝られるタイプなので、目覚めたら滋賀県で朝イチの休憩ということも珍しくありません。なので、この区間の高速バスが伊勢湾岸道経由なのを知りませんでした。ある意味昼行バスの醍醐味ですね。

新東名に入りしばらく走ると、新城ICでバスは一旦一般道に降ります。ここで2回目の休憩地点・道の駅もっくる新城に到着です。

2か所目の休憩地点・道の駅もっくる新城

高速バスが道の駅に寄るというのは珍しいですが、新城ICではETC2.0搭載車に限り、流出後3時間以内に本線に戻れば、通しの通行料金として計算する特別措置を実施しています。これで、道の駅もっくる新城をサービスエリアのような形で利用することができます。

www.c-nexco.co.jp

とはいえ、高速道路内の他のサービスエリアではなく、ここを休憩地点とするのはなぜか。それは、道の駅もっくる新城の脇にはJRバスの乗務員交代の拠点が設置されているからです。

JRバス西日本とJRバス関東の乗務員交代は、かつては東名高速沿いのJRバス関東三ケ日営業所で行われていましたが、高速バスの経路を新東名経由に変更するにあたり新城へと移転しました。

道の駅に二階建てバスの停留所

www.jrbuskanto.co.jp

そうした事情があり、ここでは乗務員交代を兼ねて道の駅で買い物や足湯(!)を楽しむことができます。なお、グラン昼特急号については「新城」バス停として、この場所での乗降も可能です。

道の駅の館内

道の駅の館内では奥三河地域の特産品が数多く販売されており、高速道路の利用者も多いからはフード類も充実しています。鹿肉や熊肉を使った惣菜も販売されており、今回は「ししミンチ」を買ってみました。ミンチなので獣感も少なく、食べやすいお味でした。

ししミンチ

バス乗り場のすぐ脇に足湯があり、二階建てバスと足湯の組み合わせで写真が撮れました。実際には20分休憩のなかで買い物も足湯も…というのは少々タイトですが、ぜひ試してみてください。

休憩中のバスを眺めながら足湯

駿河湾、富士山、幻のバス停…最後の東名区間まで見どころいっぱい

再び新東名に戻ったバスは、静岡県の山間部をまっすぐに抜けていきます。東名高速よりも線形が良いため、乗用車の制限速度が120km/hに設定されている区間も多く、そのため全体的な所要時間の短縮に寄与しています。

一方で、この区間の高速バスのレビュー動画などを見ていると、「しばらく寝ていて…」と省略され気味な区間でもあります。先述の新名神と同じく、景色は単調になりがちです。そういうこともあり、僕もしばらくウトウトしていました…笑

日没がだいぶ早くなった11月下旬のため、早くも日が傾いてきました。天気が良ければ正面に富士山、という区間でしたが、がっつり曇り。。

富士山は心の目で…

東名高速とは異なり内陸部の高台を通るので、沼津付近では駿河湾が一望できます。

沼津付近からは駿河湾や西伊豆方面を一望

そんなこんなで長い静岡県を2時間ほどでほぼ走破し、最後の休憩地点である足柄SAに到着。ここでは30分間の休憩です。

足柄SAは自衛隊の駐屯地や演習場が近くにあることから、自衛隊グッズのコーナーがありました。

自衛隊コーナー

その隣にあった「ママしか信じない」Tシャツ。これは一体…?

ママしか信じない…?

足柄SAでの休憩中にあたりはすっかり暗くなりました。そして神奈川県に入ると徐々に流れが悪くなってきます。というのも、ちょうど東名高速の集中工事と重なっていたからです。まあ、それを差し引いても混んでいるわけですが。

渋滞情報でおなじみ、綾瀬バス停付近から断続渋滞に入りました。ちなみに、綾瀬バス停でもグラン昼特急の乗降(関西行きの乗車、東京行きの下車)が可能です。

この辺で混むのは日常茶飯事

なお、もしも東名高速の渋滞にハマった際に都内へと急ぎたい場合には、高速道路上のバス停から鉄道(東急田園都市線)に乗り換えることができるところがあります。一つが東名江田バス停、そして首都高速を降りてすぐの池尻大橋バス停、さらにもう一つ用賀パーキングエリアというバス停があります。

実はこの用賀パーキングエリアバス停、事前に下車バス停として指定することができません。当日乗車して、希望があれば降車ボタンを押して降りることができます。パーキングエリアの閉鎖などで急遽降りられなくなることがあるための措置と言われているそうですが、逆に降りてみたくなりますよね。

用賀パーキングエリア停留所での下車は、事前に予約ができない

 

カーテンが開けられる昼便ならではの楽しみ

渋滞の影響もあり、終点の東京駅には約1時間遅れで到着。結果として9時間半の乗車となりました。日中を完全に潰す感じにはなりますが、快適な3列シートと前面展望で、疲れは全く感じませんでした。※個人の感想です

前面の窓についてもカーテンがあるので、日差しが眩しければ閉めることもできますが、せっかくの最前列でそれはもったいないですよね。なので、個人的には終始東向きで夕日が入ってこない関西⇒東京行きのほうが前面展望を楽しめると思います。

1便で3席しかない貴重な前面展望、ぜひトライしてみてくださいね。

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