2025年初頭時点での特急「あずさ」号の最長運用である新宿⇔南小谷の便が、2025年3月のダイヤ改正で白馬発着に変更されることになりました。せっかくなので、南小谷駅から新宿駅まで乗り通してみようと思います。
そんなことを考えて週末パスを購入した矢先、週末パスの方も2025年6月での廃止が決まったということで、図らずもそちらの使い納めにもなるかもしれません。一緒にレビューしていきます。
長野駅を出発して、まずは南小谷駅へ向かうわけですが…
こちらも観光列車の「リゾートビューふるさと」を使うと良い感じに乗り継げそうなので、そちらを使います。
- ウォーミングアップの長野電鉄(桐原0939-長野0948)
- 南小谷まで行けたはずが…。リゾートビューふるさと(長野1004-白馬???)
- 図らずも「白馬あずさ」の先取り。あずさ46号(白馬1516-新宿1906)
ウォーミングアップの長野電鉄(桐原0939-長野0948)
週末パスはJR東日本のきっぷですが、一部の他社線も使えます。その一つが長野電鉄。ということで、今回はこちらからスタートします。長野電鉄の桐原駅。
長野駅からも比較的近いのですが、味のある駅舎が残っています。
桐原駅から長野駅までは、元東京メトロ日比谷線の車両で。これも週末パスの料金内なのは嬉しいですね。
南小谷まで行けたはずが…。リゾートビューふるさと(長野1004-白馬???)
では、やっと本題。長野駅からはリゾートビューふるさとに乗車です。
南小谷行きのリゾートビューふるさと号は、途中の姨捨や穂高で観光のための停車時間を挟みながら、4時間のロングランとなります。
乗車日は三連休の中日ということもあり、列車は長野駅を満席で出発。
まずは、棚田の景色が有名な姨捨駅で15分ほど停車。天気が良かったので、皆さん一斉に外に出て撮影をします。
姨捨を出ると車内販売も開始。さすが観光列車、まだ朝の10時台ですがビールがどんどん売れます。とはいえ自分はまだあと8時間ほど列車に乗るので、ここでは我慢我慢。。
11時29分、松本に到着。
長野は満席状態で出発しましたが、かなりの割合の人が松本で下車するようです。快適な観光列車といえども、4時間乗り通すような物好きはそうそういないですね。そもそも、長野市内から白馬や小谷方面に行きたければ、鉄道より車の方が圧倒的に便利ですし。
座席が少し空いたところで、この車両のシートのご紹介。特徴はなにより、シートピッチが他の車両と比べて異様に広いこと。快適なのは良いのですが、背面テーブルとの距離が広がって、飲食に向かないのが難しいところです。松本駅では乗客がほぼ入れ替わり、新宿方面からのあずさ号から乗り継いでくるインバウンド勢を中心に、ほぼ満席での発車となりました。
ここから大糸線に入り、穂高では約30分間の停車。穂高神社が徒歩圏内なので、そちらへの参拝が推奨されています。この時間を使って参拝してきました。
本当ならこの時間で、同じく穂高神社から徒歩圏内のおせんべい屋さん、原野製菓さんへ行くつもりだったのですが、お休みでした。
非常に個人的な話なのですが、原野製菓さんには僕のサインがあると思います。以前NHK長野で『ブラナガノ』という番組に出させていただいていた際に、原野製菓さんに立ち寄ったからです。こちらはまた今度。
穂高駅前では、安曇野ブルワリーのクラフトビールを購入。本日1本目です。
あとは南小谷に行くだけと思いきや…なんとここで、「白馬〜南小谷間の落雪で、リゾートビューふるさと号は白馬止まりとなる」とのこと。
南小谷からあずさに乗るためにここまで来たのに…仕方ないですが、折り返しのあずさ号には白馬からは乗れるようです。せっかくなので白馬で下車して切り替えていきましょう。
インバウンド向け物価が話題の白馬ですが、白馬駅前で入ったラーメン屋では一番安いもので1,200円でした。日本人には少し高めですが、ゲレンデと比べればさほど高くないと思います。美味しかったのでOK。
図らずも「白馬あずさ」の先取り。あずさ46号(白馬1516-新宿1906)
幸いなことにあずさ号は白馬始発で運転されることになりましたので、結果的には自分の旅程には影響なく、新宿へ向かいます。
ダイヤ改正前でも「白馬から首都圏に直通する唯一の列車」であることに変わりはないので、この列車の冬場のインバウンド需要はかなり大きいです。白馬発車時点で座席はかなり埋まっており、体感7,8割はインバウンドといった感じです。松本時点で満席とのアナウンスがありました。
残念ながら、今回は南小谷から乗車できなかったので南小谷からの乗客と白馬からの乗客の割合を検証できませんでしたが、おそらく南小谷からの乗車は少ないと予想されます。ですので、今回の白馬発着への影響は一般旅客には軽微といえるでしょう。
むしろ今回急きょ白馬始発となった原因は白馬〜南小谷間での運転見合わせであり、これがもし午前中のあずさ号が南小谷に到着した後の発生だったら「白馬以南は運転できるのに、そしてほとんどが白馬からの乗客なのに、列車が出せない」というリスクがあります。
地域柄、というかこの列車特有の問題は、スノーボードです。スノーボードを持ち込む乗客が多いため、車端部の荷物スペースや網棚では足りず、他の乗客の頭上の網棚や、最後尾の席の後ろのスペースまで、とにかく目一杯使われている状況。最後尾の座席はおそらくリクライニングができないと思います。
こんな状況なので、乗客の乗車にも5分くらいかかった気がします。今回は急きょ白馬始発だったので問題ないですが(それでも2分ほど遅れて発車した)、普段は着時刻・発時刻ともに15:16。そうなると時刻表上は1分以内の乗降が必要とのことで、おそらくですが遅延が常態化しているのではないでしょうか?おそらくそれも、白馬発着に変更する理由なのかもしれません。
自分の足で南小谷からあずさ号に乗れなかったのは残念ですが、白馬から乗ったことで逆に「なぜ南小谷発着ではなくなるのか」をじっくり考えられたのは良かったです。
さて、ここまで乗車記というより解説みたいになったので、ここからは新宿までの道中を。
松本から先では車内販売がありました。
自分はそれを知らなかったので「4時間分のお酒とおつまみを…」と思って、買いすぎました。白馬を出た時点で旅程の目的はほぼ済んだようなものなので、あとはのんびりいきます。
夕方便なので山梨県内で日没を迎えてしまいますが、北アルプス、八ヶ岳、南アルプス、そして富士山と、車窓に見える山々が刻一刻と変化する様はあずさ号の魅力といえるでしょう。
4時間も列車に乗って何をするのかと思うかもしれませんが、この記事の文章はほとんどこの列車内で書きました。あずさ号だとWi-Fiもあるし、PCを広げるくらいのスペースは確保できるので、最初からそれをあてにしてPCを持ち込んでいました。最近はどの列車も混んでいるのでWi-Fiの速度は正直言って最悪ですが、まあないよりは良いです。
甲府の時点で、指定席・グリーン車とも完全に満席に。
途中、網棚のスノーボードが落ちてくるなどいろいろとありましたが、運行としては無事に新宿に到着しました。しかしまあ、白馬から新宿までほとんど乗客の入れ替わりがなく、実質「白馬輸送列車」として機能しているというのは改めて実感できましたね。
今回は4時間の乗車×2という、一見するとハードそうな旅程でしたが、指定席の乗り継ぎということもあり、総じて快適でした。それ以上に、白馬周辺のインバウンド需要の威力というものを改めて感じる旅になりました。