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【3月末で廃止】高速バス 長野-松本線に乗ってきた

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※乗車日:2024年3月19日(火)

「2024年問題」により全国のバス路線の廃止や減便が話題となっていますが、長野県では県の2大都市である長野市と松本市を結ぶ高速バス路線が、2024年3月29日(金)をもって廃止されます。

今回はこの路線に実際に乗車し、利用状況や今後の同区間の移動の展望について考察していければと思っています。

平日のみの運転

まずは長野-松本線の概要です。
長野-松本線はアルピコ交通による運行で、平日のみの運転となっています。以前は毎日運転の時代もありましたが、2011年に土休日の運転が取りやめられたようです。

時刻表を見ると分かりますが、運行便はほとんど通勤需要に特化しています。特に長野駅から歩くと少し距離のある長野県庁を経由することから、県庁関係への通勤需要を狙っていることが伺える路線です。

そんな長野-松本線も昨今のドライバー不足の流れに漏れず、今春での廃止が決まりました。

news.yahoo.co.jp

祝前日の夕方便に乗車

今回乗車した便は、長野駅を18:10に出発する便。通勤需要に特化する長野-松本線の中でも特に帰宅需要の高い時間帯の便だと思われます。また乗車日は祝前日であり、一定の混雑度を予想して乗車しました。

始発の長野駅からは10名強の乗車。当路線は自由席なので、発車15分前あたりから並び始める人の姿がありましたが、それでも余裕を持って座れるレベル感です。

発車10分前の乗り場

その後、長野市内では乗車停留所が6つありますが、5名程度が乗車をした昭和通りを除くと、各停留所からの乗車は1,2名程度。個人的には長野県庁からの乗車が多いと予測していましたが、こちらも1名のみの乗車で驚きました。

最終的な乗客数は20名程度。乗車率としては50%に届くかどうかという程度でしたので、帰宅ラッシュ時間帯の便としては寂しさを感じました。

車内の様子

鉄道での代替が利かない停留所は…

長野-松本線の廃止理由の一つが、JR篠ノ井線と並行する区間であること。裏を返せば、廃止による影響が大きいのは鉄道駅が近くにない停留所の利用者であると言えます。実際どうなのでしょうか?

乗車した便では、長野駅から徒歩でのアクセスが可能な昭和通り・長野県庁・長野バスターミナルを除く市内各停留所(丹波島橋南・川中島古戦場・長野インター前)からの乗車はゼロ。高速道路上の停留所(長野道姨捨・長野道坂北・長野道四賀・長野道明科・長野道安曇野)での乗降は、長野道安曇野で4名の下車があったのみ。

長野道安曇野バス停

ある程度予想はしていましたが、ほとんどが長野市内~松本市内の利用でした。

運賃は普通列車の1.5倍、所要時間は特急の2倍

長野-松本線を長野市内~松本市内で乗り通した場合の運賃は片道1,600円。所要時間は定刻で約1時間35分。

一方のJR線は、普通列車であっても長野駅~松本駅間は運賃が片道1,170円。所要時間約1時間20分。特急列車と比較するまでもなく、普通列車との比較で既に運賃面、時間面ともに劣っていることになります。廃止もやむを得ないと言えるでしょう。

ちなみに同区間を特急しなの号で移動した場合には所要時間は約50分。高速バス利用の約半分です。

もちろん、鉄道駅周辺以外の地域の足としての側面も考慮されるべきではありますが、前述のような利用状況ですので、それも存続の理由にはならないでしょう。そもそも論として、両地域間の移動は自家用車がメインであると考えるのが自然です。

長野市周辺の今春のバス再編状況

以上、高速バス長野-松本線の状況についてお伝えしましたが、他にも再編されているバス路線があるので、列挙だけしておきます。影響がある方もそれなりにいらっしゃるのではないでしょうか?

  • 長野市周辺路線バスの日曜運休(長電バス)※1月から開始済み
  • 長野市内循環バス「ぐるりん号」の本数半減(アルピコ交通の撤退)
  • 高速バス新宿・池袋~長野線の「善光寺大門」「ホテル国際21」への停車取りやめ

などなど、細かな変更を加えるとここでは書ききれないほどです。世知辛い世の中ですね。

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<長野のバス関係の過去記事はこちら↓>

www.sanmuofmusan.com

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