*この記事は、2019年10月20日(日)に個人的に街歩きをした人間の、個人的な感想に過ぎません。状況は日々刻々と変化します。
この街に一体何が起こったのか。
台風による浸水を皮切りに突如として議論の的となった武蔵小杉。
今こそこの街を歩きたい。歩くべきだという謎の使命感に襲われ、やってきました。
エレベーターの使用停止以外、概ね普通通り
横須賀線ホームです。
エレベーターは使用停止になっていますが、それ以外目立った混乱はありません。相変わらずホームは賑わっていて、いつも通りの日曜日、という感じでしょう。
南武線ホームへと続く通路で掲示物にガムテープが貼られまくってたのが少し異様でしたが、基本的には特に異常なしといったところでした。
ここから駅を出て、街を歩いていきます。
"浮き輪遊泳男"の現れた交差点へ
今回の台風で拡散された動画の一つに、冠水した道路を浮き輪で泳ぐ男の映像がありました。
その現場は、東横線の改札がある東口から商業施設のグランツリーへと抜ける道です。
以前も当ブログで武蔵小杉を取り上げましたが、そこでよそ者である自分が"いわゆる武蔵小杉"を強く感じた場所が、まさにここだったのです。
絵に描いたような「新しい都市」ですね。
特に東急側の開発が凄まじく、ショッピングモールやタワマンがぼんぼん建ってます。まさに典型的な近年の都市開発。
見上げればタワマンに囲まれる光景、確かに異質であることは否定できません。ましてやショッピングモールへと続く道。勝ち組とも言うべき家族連れが続々と吸い込まれる光景が、見方によっては敗北感を誘発させるという視点もなくはないといった感覚でした。
実際に動画を撮影した人間にどのような意図があったかは知りませんが、"ブルジョワの街の入り口"であるこの場所で撮影されたという事実が、ある種の嘲笑を誘ってしまったと考えるのも無理はないように感じました。
新南改札で起きたこと、起きていること
タワマン街を抜けて、再び横須賀線に戻ります。今度は新南改札(横須賀線口)へ。当日は駅のロータリーごと冠水し、その後は改札機の一部停止による通勤客の大混雑で一躍注目の的となった場所です。
このアングル、見覚えのある人もいるのでは?横須賀線ホームへ向かう行列がこのタワマンを囲むように並ぶ光景は、この街で起きた混乱を画面越しに伝えるには十分でした。
新南改札に関しては、台風被害から1週間が経とうとする現在でも大きな影響が残っています。
券売機やATMはいまだに停止。
改札についても一部が簡易式のSuica改札機に切り替えられていて、応急処置であることがうかがえます。
ただ、ただですよ。
気付いたかもしれませんが、ここは元々規模の小さい改札です。平日の通勤時間帯なら、平時でも行列ができるのではないか?と考えてしまいました。
もちろん正解はわかりませんし、自分が報道の立場なら、あの行列は間違いなく映しますし、それ自体を愚行ということはできません。それでも、ひょっとしてあれは普段もそんな感じなんじゃないか?と疑う視点は必要なように感じました。
街歩きは単なる罪滅ぼしなのかもしれない
文章にまとまりがなくなってきたので、ここら辺で閉じますが、最後に一つ。
自分は東京の下町と呼ばれるような土地に住んでいるので、正直言って冠水の直後は「ムサコざまぁ」と嘲笑う側の一人でした。
実際、下記のようなツイートにいいねをして、リツイートもやりかけました。
高い金出して武蔵小杉にタワマン買ったやつは下水まみれの駅前で苦しんでるのに俺たちのスラム街江戸川区はほぼ無傷なのマジで元気出ちまうな
正直、謎の使命感で今日この街を歩いたのも、所詮はこのツイートを拡散しかけたことの罪滅ぼしでしかないのかもしれません。
もちろん、たった2時間程度の街歩きごときで何が分かるのか、自分でも分かりません。
それでも今日、武蔵小杉の街を歩けて良かった。今はそう思うことにします。