*記事本文は2020年2月16日時点の情報です。
*5月8日現在、伊丹=但馬線は減便が行われており、夕方便1往復は運休となっております。
*5月8日現在、羽田空港のJALサクララウンジは一部閉鎖されております。
------------------------------------------------------
コウノトリ但馬空港、と聞いて、その場所がピンとくる方はどれほどいるものでしょうか。
但馬空港は兵庫県豊岡市にある空港ですが、なんといっても特徴はその就航路線。定期便としては、なんと隣の大阪府にある伊丹空港まで1日2往復のプロペラ機が飛ぶだけの空港です。
離島路線を除いて、これだけ短距離のフライトしかない空港は、せいぜい熊本県の天草空港くらいでしょう。
さて、そんな但馬空港へ行く機会が先日ありましたので搭乗レポートを、と思ったのですが‥悪天候による機材繰りで欠航になってしまいました。。
1日2本しかないフライトが欠航したらどうなるか?その対応策についてまとめてみました。
欠航連絡は突然に
今回は、羽田からJAL便で伊丹に向かい、35分間の乗り継ぎでJACの但馬行きに乗り換える旅程でした。
わたくし、JALのCLUB EST会員(=年間5回までサクララウンジ利用可)なので、羽田空港ではサクララウンジでゆったりしていました。
ラウンジではお酒と軽いおつまみ類を楽しむことができました。生憎の天候ではありましたが、滑走路を見ながらのビールは最高です。ちなみにビールは大手3社のものが、その他ウイスキーも置いてあったと思います。
このあと起きる事態も知らず‥。
全体的に天候が悪く、終始揺れるフライトではありましたが、伊丹空港には予定通りの到着。
機内モードを外すと、一件のメール通知が。
あっ、これは‥。
やられました。でも伊丹までは来ちゃったし‥。どうするんだ‥。
手慣れたキャンセル手続き
ひとまず伊丹空港に降り立ちます。
すると地上係員の方が待ち構えており、但馬行きに乗り継ぎ予定の乗客が集められていました。
改めてJAC2323便が悪天候で欠航となったことが告げられ、こんな紙を渡されました。
(急いで撮ったので見づらい写真ですが)
欠航分のチケットは払い戻しまたは変更可能です。
引き続き但馬方面への移動が必要な場合のJRの案内がされていますが、こちらは自費での購入となります。
航空運賃>鉄道運賃(特急料金込み)なので、実質的にはその差額分が返ってくるイメージですね。
注目点は案内されている列車の時刻。
最短で豊岡駅が19:57着予定。当初のフライトで但馬空港着⇒豊岡駅の場合はおそらく18時頃の到着予定のはずなので、差は2時間程度。
飛行機で移動するのと、空港からJRの駅に移動して電車に乗って行くのとで、これしか差が出ないということです。伊丹-但馬間がいかに近いかが分かりますね。
それなら、飛行機いるか?というのは、ここでは黙っておきましょうね。
案内の通り、まずは出発カウンターへと移動し、払い戻しの手続きをします。
但馬行きは小型機での運航ですが羽田便からの乗り継ぎも多いようで、5,6人が同様に払い戻し手続きを行っておりました。
昔から但馬空港は空港の立地や構造、設備面などの観点から他の空港よりも欠航率が非常に高いことから、こうしたことは頻繫に起こるようです。
スタッフの方も手慣れた様子での対応。
私はJALカードで直接購入していたので、カウンターでカードを渡しその場で払い戻し手続きは完了。
ちなみに、今回は羽田-伊丹/伊丹-但馬をそれぞれ「特便割引」で別々に購入している状態でしたので、伊丹-但馬間の分がそのまま無手数料で返金。単純でよかったです。
なお、この航空券のうち5,000円分はJAL CLUB EST会員に付与されたeJALポイントの利用(注:2020年度より年間2,500マイルの付与に変わったようです)、さらに毎年初回搭乗ボーナスで2,000マイルの積算もあるので、結局伊丹までの利用になったことで、実質的にはほとんどタダ乗りでした。
JR宝塚駅へ移動
JR宝塚駅への移動については、①大阪モノレール+阪急電車での移動(420円)②乗合タクシーでの移動(500円)が案内されます。
面白そうなので②を選択。
タクシーの手配から乗り場への移動まで、JALの係員さんがエスコートしてくれますので安心です。普通の生活でタクシー乗り場までエスコートしてもらえることなんてまずないので、VIPにでもなった気分です(いやフライトが欠航になっただけだから)。
いただいた利用券に、この乗合タクシー制度の詳細が書いてありました。
タクシーのドライバーさんいわく、ここで徴収する料金(1人500円=3人で1,500円)と実際の運賃との差額をJALに請求するようなシステムになっているんだそう。
ただこのドライバーさんも代替タクシーを担当するのは初めてだったらしく、そこらへんの勝手が分からず会社に電話しまくっているのが面白かったです。
ちょっと慌てるドライバーさん、そしてたまたま同じ飛行機に乗るはずだっただけの見ず知らずのおひとり様×3というシュールな状態で、タクシーは伊丹空港を出発。阪神高速を使って15分ほどの道のりです。
途中、ドライバーさんからのまさかの確認が。
「宝塚駅でいいんですよね?」
いや、逆に他のところで降ろされても困りますよ???と思ったらちゃんと理由が。
嘘か誠か知りませんが、なんと伊丹空港から但馬空港のあたりまでそのままタクシーで行った猛者がいたんだとか。これにはおひとり様×3の我々も目が点。思わず「いくらかかったんですか?」「そのあと空の車で大阪戻ったんですか?」などドライバーさんへの質問が始まります。
但馬までタクシーで行くと3万円らしいです。いや、航空券代9,000円弱だったしわざわざ3万かけてタクシー乗るか?
真偽のほどは定かではありませんが、ドライバーさんのユーモアだと信じたいです。本当だったら見てみたい。
途中で宝塚歌劇団の劇場も車窓から見えました。初めて通ったのでこれはこれで面白かったです。
というわけであっという間にJR宝塚駅に到着。
プロペラ機代わりののんびり列車旅
ここからは特急列車を2本乗り継いで豊岡まで向かいます。
ちなみに、ここから乗車する特急「こうのとり」「きのさき」はいずれも車内販売がありません。豊岡まで2時間以上かかりますので、宝塚でご飯など調達されるのがおすすめです。JRの改札横にコンビニがあります。
自由席でも大丈夫そうでしたが、せっかくなので指定席。航空券代が返ってくるから実質約4,000円バック。
元々但馬空港に17:35到着予定だったことを考えると、さすがにそれなりのタイムロスにも感じますね。だからやっぱり地元としては、ああいう制度を使ってでも伊丹-但馬線を残したいわけですね。先ほどは「2時間くらいしか変わらないならいらないのでは」なんて言ってしまいましたが、これ急ぎの用事だったら致命的ですもんね。
特急こうのとりは福知山線をゆっくりと北上していきます。
景色が見えればとても旅情のある路線なんでしょうが、冬なので外は真っ暗。豊岡までボーっと過ごします。
当初の予定から約2時間遅れで豊岡駅へ到着。
思ったより静かでビックリしました。駅前のスーパーも20時閉店でしたので、人影もほとんどなくひっそりとしていました。
羽田空港出発から約5時間。お疲れ様でした。
ちなみに東京から新幹線と特急を乗り継ぐルートでは6時間半くらいかかるのでやっぱり飛行機は速いです。今まで思っていた以上に但馬空港の存在は大きく感じました。
今度はちゃんと飛ぶときにリベンジしたいですね。