長野駅を発着するバスを眺めていると、とある行き先が目につきます。
「マユミダ・三才線」。カタカナ表記が目を引くのですが、実際何なのか気になっていました。こういうカタカナ表記のやつって、地元の商業施設の名称だったりするからな…。
というわけで、この路線について見ていきましょう。
マユミダ・三才線とは
マユミダ・三才線は、長電バスが運行するバス路線です。長野駅から市内北部の住宅街を通り三才駅を経由、長野電鉄の柳原駅まで至る路線です。
64 マユミダ・三才線 路線全体時刻表 | 路線バス | 長電バス株式会社
「柳原線」じゃないのか~とも思いますが、長野駅~柳原駅の直行需要については自社の鉄道路線が速く安いので、基本的には間の住宅地と長野駅・三才駅・柳原駅の移動需要を見越しての名称と言えますね。
(ちなみに柳原には長電バスの拠点もあるので、そこら辺の事情も関係しているでしょう。池袋⇔長野の高速バスも終点は柳原です)
マユミダは「檀田」
答えを言います。
マユミダは地名です。バス停の名前です。
「檀」と書いて「まゆみ」なんですね。初めて知りました。確かに読めない。だから漢字にしちゃおうか、といった具合だったんでしょうかね。
ということで、檀という漢字について見ていきましょう。
檀とは、まゆみ/ニシキギ科の落葉低木などの意味をもつ漢字。17画の画数をもち、木部に分類される。日本では人名用漢字に定められており、大学もしくは一般レベルの漢字とされる。
訓読みが「まゆみ」、音読みは「ダン」です。漢検準1級相当の漢字。
一般的にこの漢字にお目にかかる機会があるとすれば、女優の壇れいさんのお名前くらいでしょう。
現地は漢字表記
この檀田バス停、実際には路線名以外(時刻表や現地の看板)の表記は全て漢字表記です。「乗ったらもう分かるでしょ?」ってことなんですかね。
というわけで、バス停もこんな感じ。
ちなみに、バス停名にふりがなが振ってあるのは檀田が読めないからではなく、長電バスの停留所は基本そうなっています。
檀田バス停付近のマユミダ事情
せっかくなので、バス停の周囲のお店がマユミダをどう表記しているのかが気になったので、併せてウォッチしてみました。
「まゆみ田クリニック」
「浜田屋クリーニング 檀田店」
「アメリカドラッグ まゆみ田店」
「グループホームあんど まゆみ田」
「喜多方ラーメン蔵 まゆみだ店」
やっぱり「檀」の漢字を使うところは少ないですね。バス路線としてはカタカナ表記ですが、周辺の店舗ではひらがな派が優勢のようです。
常用漢字ではない字が地名にあてられていると、こういうことが起きるみたいです。
茨城出身の自分としては、日立市の「大甕」(おおみか)なんかが身近です。その土地の看板に目を向けてみると、面白い使い方が見られるかもしれません。
(取材日:2021年1月26日㈫)