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【宮崎県延岡市】繁華街は川の中州!構造が味わい深い企業城下町を歩く(2023.11.23)

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今回は宮崎県北部の主要都市、延岡市のまち歩きです。延岡は個人的には初めての訪問でした。
訪れる直前までほとんど下調べをしていなかったものの、実際に歩いてみて、そして改めて地図を見返すと非常に面白い街でしたので、こちらでご紹介していきます。

現在では市町村合併を経て大きな市となっていますが、こちらの記事では延岡の中心市街地についてお届けします。

今回歩いた場所は主に、延岡の繁華街である船倉町とそこから延岡駅にかけてのエリアです。企業城下町として賑わった街の歴史と、いまの姿をお楽しみいただけたら幸いです。

旭化成のお膝元

まずは、延岡市の基本情報の紹介から。

延岡市は宮崎県の北部、大分県とも接する人口11万人強の都市です。旭化成の創業地であり、現在でも市内の中心部を見渡すと工場があちこちに目につく、工業のまちです。

延岡城跡から、旭化成関連工場の煙突を望む

居酒屋で飲んでいても近くの卓から「旭化成の○○が~」みたいな会話が聞こえる延岡ですが、現在の旭化成につながる工場群が延岡に立ち始めたのは大正の終わり頃とのこと。そこから約100年に渡って旭化成のお膝元となっているのですね。

ちなみに、そんな延岡ならではの光景がこちら。

バスの行き先に「レーヨン」

そもそもバスの行き先案内が手書きなことのインパクトがありますが、注目は左から2番目の「レーヨン」。レーヨンというのは化学繊維の一種なのだそうですが、それがそのままバス停の名前になっています。

teiryu-sho.info

市内に旭化成関連の工場が複数あるのは先述の通りですが、それらの工場が生産する製品名で場所を判断するんですかね。それほど、旭化成の工場が延岡の人々の暮らしに関わりが深いということを感じ取れます。

他にも、「ベンベルグ」という停留所もあります。これも化学繊維の名前だそうです。そこらへんの知識が全然ないのですが、ベンベルグに至っては特設サイト(?)まである力の入りようでついつい見ちゃいました。面白いのでそちらのリンクも貼っておきますね。

www.asahi-kasei.co.jp

ちなみに、延岡の中心市街地から見て「レーヨン」は北側、「ベンベルグ」は南側に位置しています。

2つの川に挟まれた船倉町

そんな延岡の繫華街にあたるのが、船倉町という地域です。まずは地図で位置を確認します。

五ヶ瀬川と大瀬川という2本の川に挟まれた、中州のような場所にあるのが船倉町です。すぐ西には延岡城跡があります。

一目見るだけで、2本の川を「天然のお堀」として活用したんだろうな。その周りに城下町ができて商人とかが集まったんだろうな。と地図を見るだけで想像が捗ってしまいます。これほどまでに鮮やかに地図から歴史を読み取れるのは気持ちが良いものです。

そういえば過去にはこんな記事も書いています。初めて歩く街でもあてはめられる、まち歩きの視点について書いています。

www.sanmuofmusan.com

ちょっと話が逸れましたが、船倉町エリアは現在でも多数の飲み屋さんなどが立ち並ぶ味わい深い場所です。

船倉町エリアの紹介を~と思ったのですが、ここまで書いておいて現地で写真を撮っていないことに気づきました(おい)。酔っぱらって忘れてたんで許してください。代わりにと言ってはなんですが、船倉町の北側を流れる五ヶ瀬川の夕焼けをお楽しみください。

延岡駅方面とつなぐレトロな商店街・山下新天街

お次は船倉町を出て延岡駅の方へ歩きます。五ヶ瀬川を渡って北側。祇園町、そして山下町へと進んでいきます。祇園町という地名がいかにもすぎる。

祇園町の大通り沿いは船倉町と同じく居酒屋さんなどが並びますが、こちらにあったお店も良さげだったので書き残しておきますね。

①ともえ食堂

味のある大衆食堂のはずなのに、がっつりクリスマスモードになっていました。それにしても、サンタさんいすぎでしょ。ダンクシュートを決めるサンタさんがちょっと怖いです。

maps.app.goo.gl

②和食亭こだま

ホテルの1階のお店です。そういうところって普段あまり期待しないで見ているものなのですが、ショーケースがいい感じです。あと写真見返しながら思ったのですが、どちらかといえば洋食屋では?

maps.app.goo.gl

③喰処 青春の門

隣の富士メガネを含めて、看板が味わい深いですね。こんな味わい深い看板が裏路地などではなく、中心市街地の片側2車線の道路に並んでいるわけですがら、面白いものです。

maps.app.goo.gl

そんなこんなで寄り道してきましたが、いよいよお目当ての山下新天街です。

船倉町や祇園町界隈は幹線道路の歩道部分がアーケードになっているのに対し、山下新天街は歩行者専用のアーケードとなっています。

他の地方都市同様、お世辞にも賑わっているとは言えませんが…
この山下新天街の興味深いところは、JR延岡駅と先述の繫華街エリアの中間地点というか、橋渡しのような形でアーケードが存在していること。

言ってみれば中途半端な場所ともとらえられてしまうエリアにさえ立派なアーケードが現存しているという事実に、延岡という街がいかに発展した場所であったかを感じずにはいられませんでした。

まあ、今となっては寂しいんですけどね。。

「蔦屋仕様」の延岡駅に驚き

ここまで見てきた通り、延岡のまちはかつて栄えた昭和までの姿を色濃く残す地方都市という様相ですが、延岡駅を見てびっくり。

あれです。最近流行りの、蔦屋書店が入ってる公共施設ですね。自分が思いつくところでは南海の和歌山市駅なんかもこの部類ですが、あちらよりはやや小規模です。

「エンクロス」というそうです。ツタヤ(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)が指定管理者になっている施設ですね。こういう場所の感想は正直難しいのですが、ちょっと今回はスキップしました。商店街を歩く気分だったんでね。

encross-nobeoka.jp

というわけで駆け足でしたが、延岡の中心市街地でした。
宮崎県もどう考えても車社会のはずなのに、車でのアクセスが難しいアーケード商店街が現存しているのが興味深かったです。

九州の他の都市圏のどこからも離れていて、宮崎とも大分とも言い難い(むしろ熊本の方が近いかもしれない)独特な地域である延岡。それゆえまちづくりの難しさも他の都市ともちょっと違うのかもしれません。これからもこの味わい深いまちは生き残っていけるのか。注目していきたいと思います。

▽延岡関連のYouTube動画▽