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【長野/県道162号線】その7mを走りたくて~"日本一短い県道"~

はじめに

こんにちは。むーさんといいます。

普段は、長野市のゲストハウスでスタッフをしつつ、ときどきこうして記事を書いたりしてます。

 

こちらは、「上田アドベント2020」向けに投稿する記事となります。

2020年12月1日~25日にかけて、日替わりで長野県上田市に関する様々な記事やコンテンツが投稿される企画。わたくしは12月9日(水)の担当を務めさせていただくことになりました。

 

詳しくはこちら↓

 

上田に住む/ゆかりのある方々が多いなかで、上田に住んでいない自分が何を書くか…というところですが、ちょうど書きたいネタがあったのです。

 

上田には、ごく一部の人には有名な”日本一”があります。

それは、市内を走る県道162号線です。この県道が一体何の日本一なのか。訪問記を含めて書いていきたいと思います。

 

起点は上田駅前。終点も上田駅前。

11月下旬、実際にこの県道162号線を見に行ってみました。

自分が住んでいるのは長野市。長野駅から上田駅までは在来線でも45分ほどで行ける距離ですが、今回はあえて新幹線で行ってみることにしました。

 

 

すごい。新幹線なら10分です。お値段は倍くらいですけど、時間を金で買うという点ではそれほどコスパは悪くないのではないでしょうか。

ちなみに、今週末12日(土)に上田アドベントに登場する「おいでよ坂城」さんにもコメントいただきましたよ。

 

何はともあれ、上田駅に到着。

 

県道162号線は、上田駅前を起点とする県道です。正式名称は「長野県道162号上田停車場線」。上田停車場、つまり上田駅と、近くを走る国道141号線をつなぐ役割を担う県道です。

 

起点は、上田駅お城口交差点になります。では、終点はというと…上田駅お城口交差点です。

 

え?

 

間違っていません。同じ交差点の中に、起点も終点もある県道なのです。その実延長はわずか7m。どういうことなのでしょうか。

 

写真1枚で収まる長さ。

その上田駅お城口交差点に来てみました。実際に県道162号線を歩いてみましょう。

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とは言っても、先ほど言った通り実延長は7m。実は、この交差点の上田駅側の横断歩道こそが県道162号線の正体、ということになります。上の写真で言うところの右手前の横断歩道です。

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この横断歩道が県道の始点であり終点でもあります。

 

7mというのは道路の長さであり幅ではないため、実延長という観点だけで言えば実延長よりも横断歩道の幅が長い、ということになります。とはいえ目に見えているのは交差点ですから、さっぱり意味がわかりません。

 

そもそもこの場所には、"日本一”どころか、ここが県道であることを示す標識すら一つもありません。

 

まあ細かいことは置いといてね、とりあえず日本一実延長が短い県道を走って往復してみました(唐突)。所要時間25秒くらいw

 

このあとつらつらと書いていますがね、要は僕はこれをやるために上田駅まで来たんです。完全に不審者ですね。あとこの撮影で使っていたスマホスタンド、なぜかこの後どこかで落としてなくしたらしいです。なんでやねん。

 

県道162号線の長さは7mであり、7mではない。

さて、先ほどから「実延長」という単語をずっと使っています。

なぜかというと、この単語を用いないと、上田にあるこの県道162号線を「日本一短い県道」とは呼べないからです。

 

実は、「日本一短い県道」というものは国内に2つあります。

詳細な説明はこちらの記事に譲りますが、

trafficnews.jp

 

要するに国道や都道府県道の長さには「総延長」と「実延長」という2つの長さの表し方が存在していて、そのうち県道162号線は「実延長」の全国最短である、ということです。ちなみに「総延長」での最短は広島県呉市にある県道204号線の10.5mになります。

 

これについては、鹿児島県と沖縄県を結ぶ国道58号線を例にすると、分かりやすいと思います。

国道58号線は、総延長879.9kmに対し、実延長270.4kmと、実に600km以上の開きがあります。実際に道路が通っているのは鹿児島市内、種子島、奄美大島、沖縄本島である(これが実延長)ものの、道路が通っていない海上区間も総延長に含まれるからです。

 

そのあたりの事情については、こちらも参考に。

trafficnews.jp

 

話が逸れましたが、県道162号線についても「総延長」は7mではありません。総延長はその約18倍にあたる126.4m。それでも十分短いですが、一応交差点2つ分くらいの距離感はあるわけです。

 

ちなみになぜ海の上を走るわけでもないこの道の総延長と実延長に開きがあるのかというと、他の県道との重複区間があるためです。

重複がある場合、全長が長い方の番号を優先するという決まりがあります。126.4mの総延長のうち、前述の横断歩道部分以外の119.4mは、県道77号線との重複。こちらは長野市からの県道となりますので、重複区間は県道77号線の実延長としてカウントされるわけですね。

 

とはいえ、総延長で見たところで、起点から終点を一枚の写真に収められるレベルであることに変わりはありません。実際に写真を撮ってみるとこんな感じです。

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終点の中央1丁目交差点から、起点の上田駅お城口方面を望むとこんな感じ。映っているのは紛れもなく県道162号線で”も”あるわけですが、その大半が重複区間ということになります。

 

この背後にもそのまま道(国道141号線)が通っているので、普通に通っていれば、起点も終点もさっぱり分かりませんが、実はこんなに複雑な道が存在すると知っただけで、上田駅前を歩くのが10倍増しくらいで楽しくなりました。

※個人の感想です。

 

日本一は、案外そこらへんに転がってるかもしれない。

気づいたら、県道(や国道)の細かな定義付けについて語りつつ、突如アラサー男子が横断歩道を往復するだけという全く需要のない(某深夜番組みたいに女の子が坂を駆け上がるならともかく)動画が乱入するという記事になりましたが、いかがだったでしょうか。

 

この県道162号線も、気にしなければただの駅前の道路でしかないわけですが、そんな道にも実は日本一の称号が転がっているのです。

 

今度上田駅を使うときには、この道の存在をすこ~しだけ気にかけてみると面白いかもしれませんよ。

 

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自分は今年の夏に関東から長野市に移住してきましたが、それまでの上田は「新幹線で長野の手前の駅」以上のイメージはありませんでした。

おいでよ上田さんをはじめ、上田に関わる方の存在を知っていくにつれて、まさに今、

 

「上田って結構面白いんじゃね?」

 

と思っているところです。

おいでよ上田さん、面白い企画をありがとうございました!

また何かの形で上田の記事を書けたらと思っています。ここまでお読みいただきありがとうございました。

 

(訪問日:2020年11月25日/26日)