お久しぶりの『ブラナガノ』です。
前回の放送は6月でしたが、その後オリンピック・パラリンピックでの中断などを挟んで、約4ヶ月ぶりのロケとなりました。
放送はこちらからご覧いただくとして↓
NHK長野放送局 | Discover信州(新型コロナ関連企画)
今回のロケは北信の中野市。ひらがなにすると「ながのけんなかのし」となるわけですね。ちょっと紛らわしい。
信州中野駅からのスタート。駅前を歩くのは初めてだったので、なかなか新鮮な散歩となりました。
というわけで、今回はカット部分も含めてロケを振り返ってみたいと思います。
母さん お肩を たたきましょう
放送では使われませんでしたが、オープニングとして
「母さん お肩を たたきましょう」
でおなじみの童謡『肩たたき』を駅前で歌うというバージョンが用意されていました。
なぜこの歌だったかというと、『肩たたき』を作曲した作曲家・中山晋平が中野市出身ということで、信州中野駅前に石碑が建っているためです。
中野市内に記念館もあるのですが、恥ずかしながら知らなかったです。。
今回のロケを通じてこうした歴史に触れられたことで、まち歩きの幅が広がっていく気がしています。
右に行っても、左に行っても‥?
お次は途中で立ち寄った写真館のこと。
そもそも『ブラナガノ』の基本ルールは「サイコロの目によって歩く方角を決める」なのですが、ちょっとこの画面キャプチャを見てみてください↓
サイコロの結果左に曲がって、そこで写真館の素敵な建物に気付くわけですが、実は僕はその前に写真館と思しきものがあることに気付いていました。しかも、左側ではなく右側に。
だから、写真館だと分かったときは、「さっき見たやつだ!!」という気持ちになりました。
右に行っても左に行っても同じ展開だったかもしれない、というのもまた、行き当たりばったりの旅の醍醐味なのかもしれません。
地区名からまちの成り立ちが見える
後半では、中町という交差点の名前から、中野のまちの構造について考察していきました。
中町、あるいは東町・西町のような地名というのはかなり多くのまちにあり、まち歩きをしていくにあたり重要なポイントになってきます。
自分がガイドをする場合などに、大事な着眼点としてお伝えすることも多いのですが、多くのまち(特に、明治以前からまちが発達していたエリア)については下記のことが当てはまる場合も少なくありません。
- まちの中心(寺院・城・行政の中心など)を基準とした町名がある
- そうした中心地から鉄道駅までは2kmくらい
- その中間地点あたりに繁華街が発達
中野のまちを図示するとこんな感じ。上記の要素になんとなく当てはまっていることが分かります。
現在の自分のホームである長野市で考えるなら、長野駅~権堂~善光寺というのがまさにその構造に当てはまるわけです。
そんな話の一部を、今回のロケでできて良かったです。
須坂とも小布施とも違う。中野の面白さをどう伝えるか。
初めて歩いた中野の中心部。
須坂市や小布施町ともそう離れていないにも関わらず、和洋折衷の建築物が他のまちと違う気がして、とても興味深かったです。
ただ、それをどう伝えるかはとても難しいと感じました。
古い街並みが残っているという事実をより深く掘り下げるにあたって、そこには2つのパターンが存在していると思っています。
「街並みを残した」まちと「街並みが残ってしまった」まち。正直、中野は後者だと思います。
立派なバイパスが通って、消費の中心はロードサイドへ移り、もぬけの殻になった古い建物が残る。
その建物を面白がる行為は、ひょっとするとそのまちに暮らしてきた人々へのリスペクトを欠いているのかもしれない。
そこら辺のバランスをうまくとりながら、これからもまち歩きを楽しんでいきたいと、改めて感じられる時間でした。
ちょっと真面目なトーンになってしまったので、ラーメン屋のポスターみたいになってしまった僕の写真を撮る星庵さんの写真で締めたいと思います(笑)
次回のブラナガノもお楽しみに!
▽▽『ブラナガノ』の過去記事はこちら▽▽